カッコウ 郭公
Kakkou
Cuculus canorus
Common cuckoo

カッコウ カッコウ目カッコウ科
 夏の高原でカッコウと鳴く
 ハトサイズのスマートな鳥

   

カッコウについて



 カッコウは日本では夏鳥です。本州中部であれば、およそ標高1,000m程度以上の亜高山に、繁殖のためにやってきます。初夏から夏にかけて、山に登れば遠くから「カッコウ・カッコウ」と永遠に続くような鳴き声を耳にされた方も多いのでは、と思います。声も大きいので、遠くからでもよく響きます。
 私が子供のころなどは学校の音楽の授業内で「静かな湖畔の森の影から」を輪唱で歌ったりしましたから、カッコウは世間でもかなり有名な鳥の一つだと思います。一方で声は知っていても姿は知らない。そんな鳥ではないでしょうか。
 私の運の問題なのかもしれませんが、カッコウをはじめとするトケン(杜鵑)類は出会いが非常に少ない鳥だと感じています。カッコウ科の鳥はほとんどまともに撮れた記録がありません。ただその中でカッコウだけは高原の鳥なので、姿を見るだけならそこそこの回数があります。(ただいつも遠い。。)
 実際のところ、トケン類は姿を見ると皆よく似た地味な姿をしているので、「声を楽しむ鳥と割り切れば、もっと気楽に接することができるんだよなあ」と最近はやや諦め加減な私です。





「カッコウ」 クリックで拡大します。

カッコウ

長野県下諏訪町
1024×682 px
2024/05/25
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 高原湿原で見つけたカッコウです。カッコウは特に早朝に活性度が高いと感じます。なので、観察するなら初夏の朝6時台くらいをお勧めします。お昼近くになると、鳴き声もぐんと少なくなります。
 



「カッコウ 飛翔」 クリックで拡大します。

カッコウ 飛翔

北海道豊富町
1024×682 px
2024/06/30
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 道北の湿原で撮ったカッコウです。
 この日は道北を周って3日目でした。ここまで毎日一ヶ所の湿原を回る感じで鳥を探し歩いていたところ、2日目の礼文島ではツツドリの声が聞こえていました。なので、この写真を撮ったときは「よくわからんけどツツドリだったのかな?」と思っっていたのですが、あとから連続した写真でお腹の模様を見ると縞が細くて本数も多く、どうやらカッコウだったとわかった次第。平地でカッコウがいるのはさすが北海道という感じですね。





観察データ

場所と回数:長野県 5、群馬県 1、北海道 1、計7回。
 亜高山より高い高原で見ています。北海道は平地です。いれば「カッコウ!」という鳴き声が必ず聞こえますし、高い木の天辺にいるので見つけるのも割と簡単です。そしてしばらくは一か所で鳴き続けるので、あとは頑張って鳴き声の方に向かって探しにいくだけです。ただ湿原などでは歩くルートが限られていたりするので、「見つかっても近づくことができずに、結局遠い豆粒で終了」というパターンが多いですね。

観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月0
5月0
6月4  〇〇〇〇
7月3  〇〇〇
8月0
9月0
10月0
11月0
12月0
計7回

夏鳥です。托卵鳥なので、ウグイスやホオアカなどの営巣時期に合わせてやってくる感じです。
 過去の観察(記録)時期は6月16日~7/16日までの間です。梅雨時期なので、明け方に高原に行く場合、着いたら霧で何も見えないみたいなこともあります。天気が回復に向かっているときは、少し待てば霧は晴れるのですが、その時間はもう活性化が終わった時間、みたいなことが多いです。梅雨時期の高原でカッコウを見ようと思うと、毎回道中で巡り合わせにお祈りしながら行く感じでしょうか。



 (トップ画像 亜高山の森林公園でさえずるカッコウ D500 500mm/F4.0 2017/07/02 長野県 のどが膨らんでいるのがわかりますでしょうか )

初出:2024/07/14